沖永良部健康食品開発研究会ー島桑ー(沖永良部)
認知症の予防や治療に役立つ可能性のある桑の葉・桑の実
日本薬局法には生薬としてウンシュウミカンの成熟した果皮を乾燥した陳皮(チンピ)等多くのものがあります。
陳皮は,医師が体力の弱った方等に保険診療で 処方している補中益気湯(ほちゅうえっきとう)にも含まれています。
ヤマ・シークニン粉末は徳之島の野生ミカン,シークニン(すっぱいミカン)の果皮を乾 燥し,これを粉末としたものです。
本粉末中には,財団法人日本食品分析センターの分析結果によると,ビタミンA,ビタミンC等の他に特異的な物質として粉 末100g当たり,3.6gのヘスペジリン(Hesperisin)と370mgのノビレチン(Nobiletin)が含まれています。
1.認知症患者の増加
日本は急速に高齢化社会(65以上)になり,2020年には認知症の老人数は292万人,総人口の27. 8%になることが予想されている。
2.認知症の医療の現状
治療に関しては,アリセプトが症状悪化抑制に処方されている。現在,免疫療法をふくめ多くの薬剤が開発中である。一方,治療や予防に関して,食物中の フラボノイド(ポリフエノーノルなど),たとえば、トウゲシバ(Huperzia serrata カゲノカズラ科),ウコンのクルクミン,赤ワイン中の Reverstrol(代謝物)などが認知症のリスクを下げるとする報告がある。ハーブとしてはイチョウのエキス,朝鮮人参,など。栄養素としては, PHOSPATIDYLSERINE (フォスブァチジルセリン),アルファリポイック酸 (ALPHA-LIPOIC ACID),omega-3-fatty acids,(DHA),ALCAR,(acetyl-L-carnitine),Coenzymel0,Idebenoneなどが認知症に有効であるとする研究データーもある。ビタミン,ミネラル類としては,ピタミンA,ビタミンC,ビタミンE,などのデーターがある。ホルモンとしてはMelatoninが研究対象にされている。身体活動,認知能訓練,音楽療法,精神科的療法などによる認知症治療法の研究報告はあるが,まだ少ない。
3. 桑の葉・桑の実と認知症
1) 桑の葉
認知症の大きいリスクファクターは糖尿病、高血圧、脂質異常、肥満などである。桑の葉に含まれているDNJ(1-デオキシノジリマイシン)はヒトで血糖値をさげる効果がある。(多くの会社が桑の葉の健康食品を販売している)。桑の葉のエキスは動物で血中のadiponectinを上げるデーターがある。(Adiponectine には抗炎症、抗糖尿病、抗動脈硬化、抗肥満、抗メタボリック症候群作用などのあることについて多くの報告がされている) 。また桑の葉の抽出物はアルツハイマー病の発病に関与するamyloid-betaの脳組織内への凝集を抑えるとする、実験データーがある。
2)桑の実
桑の実には抗酸化物質が含まれている。Anthocyanine(アントシアニン)はブルーペリーと同量含まれている。このAnthocyanineは認知症モデルの高齢動物の認知機能障害を改善し得る。桑の実に含まれるれるReverstrol(レスベラトロール,赤ワインに多く合まれている)が体内で変化して抗認知作用を持っとするデーターもある。喫煙者では一般のフラボノイド(ポリフェノールなど)の摂取が認知症の発症を抑える、とする報告がある。
(PubMed、アメリカ国立医学図書館の国立生物工学情報センター、NCBI 医学・生物学分野の学術文献検索サービスの論文データーより)
平成23年5月