本年7月10日、医療法人徳洲会名誉理事長、NPO奄美機能性食品開発研究会の
初代理事長である、徳田虎雄先生がALS(筋萎縮性側索硬化症)との20年以上
にわたるご闘病の後、お亡くなりになりました。
先生は病める人や弱者を助けるために、厳しく、苦しい日々に命を懸けられま
した。
徳田先生、ありがとうございます。
当法人設立の目的は科学的根拠のある機能性食品を人々に提供するために、奄
美特有の原材料の研究、原材料の栽培を行い、臨床的有用性を検討し、そして
販売などを通じて奄美がさらに活性化することを援助することです。当法人の
設立時に徳田理事長は奄美の人たちに決して負担をかけてはいけない、と厳命
されました。徳田先生のご指導、ご援助により当法人は発足し活動を継続する
ことができました。奄美の伝統的な薬草に関する基礎研究や臨床研究は、NPO
自体あるいは多くの理事の方々が関係する大阪大学、琉球大学などでおこなわ
れてきました。奄美群島に特化した、シマアザミについても臨床での機能性、
有用性が明らかとなり、向春草の商品名で販売されています。この過程でもっ
ともご苦労されたのは奄美の農家の方々です。農業のプロではありますが、野
生植物を人の健康を守るための健康食品に求められる条件を満たし、栽培植物
とするには、幾多のご苦労がありました。シマアザミの生態をよく理解し、適
切な土壌、場所の選択、栽培方法、植え付けの時期の選択ななど多くの未知の
分野でした。害虫対策や収穫量をあげるための農薬は全く使えない条件で決ま
った時期に確実な収穫量の商品が求められてきたのです。
徳田先生が奄美の徳之島のご出身であるから、このNPOに有形、無形のご指
導ご援助をなさったのではありません。先生は小医は人を医す、中医は家を医
す、大医は国を医す、徳洲会は世界を医す、と言われております。徳洲会の病
院の理念は命と生活を守る病院です。人々を愛し、神を敬う徳田先生が私たち
愛してくださったひとつの証が向春草だと思えてなりません。
徳田先生、どうか、これからも私共をお守りください。
2024年8月5日
特定非営利活動法人奄美機能性食品開発研究会
理事長 禧久 伸一郎